9価 子宮頸がんワクチン(シルガード9)について💉

 

 

2023年4月1日から9価の子宮頸がんワクチンが対象の方は無料で受けることができるようになりました。

 

 

●子宮頸がんとは

 

子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんです。

「がん」というと高齢の方に発症するイメージがあると思いますが、実は子宮頸がんは日本では20-30歳台の方にどんどん増えているのです。

妊娠出産に関わるご年齢の方が子宮頸がんになるため、子宮を摘出しなくてはいけなくなったり、小さいお子さんを残して亡くなられたりしており『マザーキラー』とも言われている実はとても怖い病気です。

現在日本では、年間約11000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2900人の女性が子宮頸がんにより亡くなっています!

さらに、初期の頃は全く症状がないことも特徴です。このため子宮頸がん検診でしか早期に発見できません

子宮頸がんが進行してきて初めて、「不正性器出血」「帯下の異常」「腹痛・腰痛」などの症状が現れますが、その時点で婦人科を受診してもすでに進行がんとなっていて手遅れになってしまうことがあります。

 

 

●子宮頸がんの原因とは

 

子宮頸がんの原因は「ヒトパピローマウイルス」というイボを形成するタイプのウイルスです。

性交渉で感染しますが、実は性交渉がある方の約84%の方が一生に1回はヒトパピローマウイルスに感染しているのです。

但し、普通は自然に消えていってしまうのですが、感染が持続すると細胞の形がいびつになりがんになっていきます。

 

「ヒトパピローマウイルス」の種類は約200以上と言われていますが、子宮頸がんを引き起こすハイリスクのタイプは13種類(16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68)と言われています。

この内で特に注意が必要なのが16,18型であり、この2種類で60-70%を占めています。そして、最終的に進行がんになる可能性が高い型になります。

 

このほかに良性病変である尖圭コンジローマの原因となる2種類の型(6、11)もあります。

尖圭コンジローマは陰部や腟にイボがたくさんできてしまう疾患ですが、一度発症してしまうとなかなか治らず厄介な感染症です。

 

 

●子宮頸がんワクチンとは

 

子宮頸がんは「ヒトパピローマウイルス」が性交渉により感染することにより引き起こされるため、ワクチンで予防ができるがんです。

今までは、2価・4価の子宮頸がんワクチン(2価:16・18型、4価:6・11・16・18型をそれぞれ予防)が定期接種として接種されていました。

そして2023年4月から9価の子宮頸がんワクチン(9価:6・11・16・18・31・33・45・52・58を予防)が定期接種として追加で認可されました。

今までの2価・4価の子宮頸がんワクチンでも十分に子宮頸がんを予防する効果はありますが、9価の子宮頸がんワクチンの方が予防効果がより高くなります。

 

 

 

●子宮頸がんワクチンの副反応について

 

子宮頸がんワクチンの副反応に関しては

注射部位では疼痛、腫脹、紅斑、そう痒感、内出血、腫瘤、出血

全身性の副反応としては頭痛、発熱、悪心、浮動性めまい、疲労、下痢、口腔咽頭痛、筋肉痛 が報告されています。

但し、比較的見られるものは注射部位の疼痛、頭痛、発熱であり全身の症状が出ることはまれです。

何か気になる症状が継続する場合はご連絡ください。

症状が継続する場合は、長崎大学病院の子宮頸管ワクチン副反応相談外来の方へ紹介させて頂きます。

 

 

●子宮頸がんワクチンの対象者

 

以下の対象の方は無料で受けれます。

 

○定期接種:小学校6年生〜高校1年生の女性

○キャッチアップ接種:

・平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性(※1)

・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない(※2)

 

※1 令和5年4月1日からは、平成18年度生まれ(誕生日が2006年4月2日~2007年4月1日)の方もキャッチアップ接種の対象になります。また、平成19年度生まれ(誕生日が2007年4月2日~2008年4月1日)の方も、通常の接種対象の年齢(小学校6年から高校1年相当)を超えても、令和7(2025)年3月末まで接種できます。

※2 過去に接種したワクチンの情報(ワクチンの種類や接種時期)については、母子健康手帳や予防接種済証等でご確認ください。

 

 

●子宮頸がん検診について

 

子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染により引き起こされるがんですが、子宮頸がんワクチンにより予防ができることが期待されています。

しかし、ワクチンで防ぐことができないヒトパピローマウイルス感染もあります。

このため20歳になったら、2年に1回は定期的に子宮頸がん検診を受けて頂くことが大切です。

 

 

 

子宮頸がんワクチン初回接種の際は医師から詳しく説明をさせていただきます。

何かご質問がある場合はお問い合わせください。